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反則の重さによる再開方法の違い

ラグビーには様々な反則があり、反則の内容・重さによって試合の再開方法が異なります。

個々の反則を覚えようとするとかなり面倒ですので、ここでは「こういう感じの反則はこういう罰則・再開方法となる」という形で4パターンに分けてみました。

ミスに近い反則はスクラム

スローフォワード(前に投げる)、ノックオン(前に落とす)といった自分たちのミスに近い比較的軽い反則はスクラムでの再開となります。

スクラムに投入されたボールはスクラムを押し込むことで奪い取ることができますので、「ミスをしたとしても力ずくで取り返すことができる」ということですね。

反則としては比較的軽いものが対象となるので、そういった反則には挽回の場が与えられるということです。

スクラムやラインアウトでの軽い反則はフリーキック

スクラムやラインアウトといった試合再開の方法の中で比較的軽い反則があった場合、反則をしなかった側に「フリーキック」の権利が与えられます。

フリーキックかどうかの見極め方ですが、通常の反則ではレフェリーがまっすぐ手をあげるのに対し、フリーキックの時は図のように笛を吹く際に肘を90°曲げます。

フリーキックの権利とはその名の通り「相手に邪魔をされずにキックを蹴る権利」のことですが、このキックは相手が一定の距離下がる必要があること以外はプレー中のキックと同じ扱いなのでゴールを狙うことはできませんし、外に蹴り出す際もダイレクトタッチ(外に蹴り出すときのルール - 超重要な「22mライン」-参照)が適用されます。

もちろん22mラインよりも後ろでフリーキックの権利を得た場合はダイレクトタッチは適用されません。

フリーキックは自由にキックをしていいという権利ですが、遠くに蹴る義務はないためその場でタップキック(=足でちょこんと蹴り上げて即ボールを自分でキャッチ)をして走り出してもOKです。

速攻を仕掛けたい時などは笛が鳴ってすぐタップキック&ゴーで仕掛けることもあるので見ている人は何があったのかわからず混乱することもあるかもしれません。

タップキックを使って速攻を仕掛けることができるということは知っておきましょう。

相手に迷惑をかける反則はペナルティキック

オフサイドやノットリリース・ザ・ボール、ノットロールアウェイなど「相手が何かしらの不都合を被る」反則はペナルティキックでの再開となります。

一般にはスクラムで再開するような軽いものもペナルティというくくりになっているのですが、再開方法が異なるため「ミスに近いものか、相手に迷惑をかけているか」といった視点で分けて考えることをオススメします。

さて再開方法のペナルティキックですが、反則を受けた側はいくつかの選択肢を与えられます。

まず1つ目、ペナルティキックではゴールを狙うことができ、成功すると3点を得ることができます。これが他の反則とは大きく異なるところですね。

2つ目、ペナルティキックもキックを蹴る権利なので当然外に蹴り出すこともできます。そしてペナルティとは罰の意味であるため、反則した側への罰則としてペナルティキックで蹴り出した場合はダイレクトタッチなし&蹴り出した側のボールでのラインアウトとなります。

すなわち、ゴールを狙える距離ではゴールを狙うプレースキック(ボールを下に置いてのキック)で点を狙い、ゴールまで距離があるのなら外に蹴り出して大きく前進というのが定石となります。

また、フリーキック同様タップキックで速攻を仕掛けることもできます。

4つ目ですが、ペナルティキックはスクラムで再開する反則よりも重いものであるため、反則をされたチームが望めばスクラムへの変更も認められています。

キックでのゴールよりもトライを狙いにいきたい、そして蹴り出してのラインアウトよりもスクラムの方がいけそうな位置・場面ではこの選択肢をとることがあります。

日本代表が2015年W杯で南アフリカを破った試合の最後にスクラムを選択肢した場面がまさにこれですね。

最後に5つ目ですが、ラインアウトでのペナルティに限り同じ位置でのマイボールラインアウトに変更することができます。

ペナルティでは蹴り出してもマイボールなので真横に蹴り出すのと変わらないのですが、ミスキックになるリスクを回避できるということでこの選択肢がとられることもあります。

危険なプレーにはカードが出ることも

ラグビーはぶつかりあいをする競技だからこそ怪我をさせかねないような危険なプレーには敏感です。危険なプレーも当然ペナルティとなり、その上でカードが提示されることがあります。

危険なプレーとは首より上にタックルすることや相手を頭から落とすようなタックル、空中にいる相手を掴む行為などのことを言います。

その中でも程度の重いものに対してはイエローカードが提示され、10分間の強制退場となります。これをシン・ビン(英語で:sin bin =罪の入れ物)と呼びます。

残されたメンバーはこの10分を1人少ない状態でプレーしなくてはなりません。

攻守の基本が数的有利を作ること・作らせないことなので、常に1人少ないというのは非常に大きなハンデとなります。

そして、イエローよりもさらに悪質だとされた場合にはレッドカードが提示されます。

レッドカードは一時退場のシンビンよりも重いため、その試合の間戻ってくることはできません。

また、危険なプレーに限らず同じチームがあまりにも同じ反則を繰り返す場合には審判が警告をし、それでも繰り返すようならイエローカードが提示されることがあります。

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