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外に蹴り出す時のルール
- 超重要な「22mライン」-
ダイレクトタッチとは

ラグビーではフィールドの両端のラインを「タッチライン」と呼び、ボールが外に出た時に「タッチに出た」「タッチラインを割った」という言い方をします。

このタッチラインに関して一番重要なこと、それはノーバウンドで蹴り出してはいけないということです。つまり、蹴って外に出したい時はフィールド内でワンバウンド以上して外に出るように蹴りなさいということですね。

ノーバウンドでタッチを割ることを「ダイレクトタッチ」と呼びます。略称はダイレ、「今のダイレじゃね?」というような形で使います。

ちなみに罰則ですが、蹴った地点と同じ深さでの相手ボールラインアウト、つまり真横に蹴り出したのと同じ形ということになります。

なぜこんなルールがあるのかというと、ノーバウンドで蹴り出せてしまうと狙ったところに出すのが簡単になってしまうからです。

「ラグビーは陣地をとることが大事」の意味でもお話した通り、ラグビーではマイボールであることよりも陣地の方が重要です。つまり簡単に狙ったところに出せるとみんなまともに攻撃せず、ポンポン外に蹴り出すようになってしまいます(今でもけっこうポンポン蹴り出してますが…)。

ワンバウンドさせる必要があるとその位置にキックを処理する選手を置くことでキャッチ&カウンターが可能になり、蹴り出す側も相手の選手がいない場所にワンバウンドさせる必要があるので蹴り出す時の難易度が上がります。

22mラインの役割

上でお話した通りラグビーではノーバウンドで外に蹴り出してはいけませんが、例外があります。

それは22mラインの内側(22mラインよりも後ろ側のエリア)から蹴り出した場合です。このエリアから蹴り出した時はノーバウンドで外に出ても”外に出た場所(着地点ではなくタッチラインを横切った位置)”でのラインアウトとなります。

なぜこのようなルールがあるのでしょうか。

22mラインの内側とはすなわち自陣ゴールが真後ろにあるピンチの状態です。

陣地が大切なラグビーですからこのエリアにいる時は一刻も早く脱出したいというのが定石ですが、このエリアから蹴り出す時にノーバウンド禁止状態だとどうなるでしょうか。

簡潔に言うと相手がカウンターし放題になります。

22mラインの内側のエリアから仮にノーバウンド禁止の状態で蹴り出そうとすると、以下の黄色のエリアに必ずバウンドさせなくてはならないことになります。

そして当然相手はそのエリアにキックを処理する選手を配置します。

こうなるとワンバウンドさせるための着地点で相手にボールをキャッチされ、カウンターを仕掛けられます。しかも22mラインより内側からのキックだとハーフウェーラインを超えないような位置から攻撃されることになってしまいます。

ロングキックからのカウンターだと最初にタックルするまでに10m近く進まれてしまいますし、そうなるとエリアを回復できないまま相手ボールになってしまいます(黄色で囲ったエリアでの相手のアタックになってしまう)。

すなわち、自陣の深い位置に追い込まれた時点で「蹴ってもピンチ、蹴らなくてもハイリスク」という袋小路になってしまいますし、「相手ボールになってもいいからとにかく深いとこに蹴り込む」戦術が最強になってしまいます。

一度深いとこに追いやってしまえば袋小路に追い込めますからね。

そうなるとどのチームも中盤で走ってのアタックを仕掛けなくなってしまいますし、それは競技としてつまらないということで22mラインより後ろからのキック(=ピンチからの脱出)なら直接外に出してもいいというルールになりました。

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