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「ラグビーは陣地をとることが大事」の意味
なんで外に蹴り出すんだろう?

ラグビーを見ていると選手が外に出るようなキックを蹴るシーンをよく目にするとこになります。そしてラグビーファンも飛距離のあるキックには「ナイスキック!」と拍手をしています。

見始めたばかりの人は(相手の反則の後でマイボールになるならまだしも)「なんで相手ボールになるのにキックするんだろう?」と疑問に思うことでしょう。

そしてラグビーファンに「何で外に蹴り出すの?」と聞くと間違いなく「ラグビーは陣地をとることが大事なんだよ」という答えが返ってきます。

そしてそれっきりで追加の説明をしてもらえることはあまりありません。ラグビーファンにはあまりに当たり前すぎて疑問に思わないことだからです。

なのでここではなぜ陣地をとることが大事なのかを説明します。

前提としてラグビーは"相手ボールになりやすい"競技である

ラグビーという競技は相手にボールが渡ることが多いスポーツです。そのため、野球のような攻守交代のルールがありません。何もしなくても自然にボールの主導権が交差するためです。

反則の種類が多いことはもちろん、パスミスやキャッチミスといった形でボールが転がった時も相手がそのボールを奪うことができますし、タックルの後に倒れたプレイヤーのボールを奪いにいくこともできます。

言い換えると、「アタック側でマイボールの状態であっても常にその場所で相手ボールになる危険性がある」ということです。

自陣は「常に失点の危険のあるエリア」

ここでの「自陣」とはボールを基準とした話ではなく、「ハーフウェーラインよりも自分たちのゴール側のエリア」のこととして話をします。

「常に相手ボールになる危険がある」という前提を考えると、自陣はマイボールであってもひょんなことから大ピンチに陥りやすいエリアということになります。

単に相手ボールになるだけでもトライまで近い危険な状態ですし、ボールを失った時の反則の内容次第では相手は直接キックでゴール(得点)を狙うことができます。

すなわち、自陣は「ミスや反則=失点」となりかねないリスクの高いエリアなのです。

敵陣は「相手ボールでも大チャンスに変えられるエリア」

反対に、敵陣、すなわちハーフウェーラインよりも相手ゴール側のエリアはたとえ相手ボールであったとしても相手のちょっとしたミスや反則で即大チャンス、反則次第ではキックで直接点を取ることができるエリアになります。

また、相手に多少ディフェンスラインを突破されたとしてもトライまではまだまだ距離がありますし、反則をしてしまってもキックでいきなり点を取られることはありません。

このように敵陣はリスクが低く、かつ得点のチャンスを得られる可能性もある非常にセーフティーなエリアなのです。

このように、ラグビーにおいては「マイボールであること」よりも「相手のゴールラインに近いエリアでプレーしていること」の方が重要になります。

そのため、相手ボールにしてでもエリアを稼ぐためのキックを使おうということになるのです。

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