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試合を見るときには誰に、どこに注目すればいいの?
最初はボールと「ゲインライン」を意識しよう

ラグビーを見始めたばかりの人は試合を見るときにどういった所に注目すればいいのでしょうか。

まず最初に注意点として、特定の選手を追い続けるのはやめたほうがいいです。

なぜかというと、ラグビーはボールを持って突撃した選手やそのフォローに入った選手が次の攻撃に参加できない(=消える)からです。そしてその選手がいないところでゲームが進行していきます。

なので、一番最初はボールを追いかけて見るのがいいでしょう。

まずボールについてですが、今ボールがどこにあるのかを把握しましょう。

密集でごちゃごちゃしているときには「この密集の中にボールがある、ここからボールが出てくる」とだけ把握できていればOKです。その中のどの選手が持っているのかまでは見なくて大丈夫です。

ボールの位置や出所を把握できるようになったら次は「ゲインライン」を見ましょう。

ゲインラインとは攻撃が始まる前にボールのあった位置のことで、最初の領土の話で言う国境線に該当するラインです。

このラインを超えて前進することができれば攻撃成功、逆に押し戻されてしまえば攻撃失敗です。

最初はこのゲインラインをめぐる1回1回の攻防を見てその成否で「よし!前進した!」「あー押し戻された」という感じで見るのがわかりやすいかと思います。

余裕ができたら「バックスライン」を見よう

ゲインラインを意識できるようになって少し余裕ができてきたら、次は「バックスライン」を見てみましょう。

バックスラインとはバックスの選手を中心とした攻守のラインのことです。

このバックスラインをどういう風に見るのかですが、アタック・ディフェンスそれぞれのラインの人数がどうなっているのかを見ましょう。

アタック側のラインの人数がディフェンス側を上回っているのならチャンス、ディフェンス側が上回っているのなら抜ける場所はないので無理をする場面ではありません。

次のような状況を見てみましょう。斜めのラインを敷いている右がアタック側、真横のラインを敷いている左がディフェンス側です。

前回のラグビーの攻防と戦術の基本でもお話しした通り、ラグビーはアタック側の人数がディフェンス側の人数を上回っていればチャンスです。

なので、アタックライン、ディフェンスラインの人数がそれぞれどうなっているのかという目線でこのバックスラインを見ましょう。

攻撃の始まるポイントの近くにはフォワードの選手がいてごちゃごちゃしていますが、これは一旦無視して大丈夫です。

それではバックスラインの人数を見てましょう。(--以下細かい話(人数のカウントのしかたの例)なので「ここまで」までは読み飛ばしてもOK--)

比較的近い場所に3人ほどアタックの選手が固まっていますが、これは近場を攻撃するためのフォワードです。画像ではわかりにくいですが、フォワードの後ろにいる選手(1)は横に走っているため近場を攻撃するフォワードではありません。

フォワード周りはフォローのためのプレイヤー(攻撃そのものには参加しない)も沢山いるため人数はあまり関係なく、そのエリアに隙間なくディフェンスが並んでいればOKです。

観戦初心者の方はこのフォワード周りはあまり気にしなくて大丈夫です。

ちょっとわかり辛いですが、右側の1番の選手がフォワードの突撃の裏でボールを受けようとしているバックスラインの1人目の選手です。

また、左側1番のフォワードディフェンスの選手は相手がバックスラインに回してきたらそのままバックスのディフェンスにスライドします。

(--ここまで--)

(よって、)この場合はディフェンスの枚数が5枚、アタック側が6枚です。

見始めたばかりの人は具体的に何人かまではちゃんと把握できなくて大丈夫です。アタックの人数が上回っているだろうか?という目線でラインを見ることができることが重要です。

画像では5対6で一見するとディフェンスの方が人数が少ないですが、ディフェンス側はキックを蹴られた時のために後ろに下がっている選手がおり、相手が外に攻撃してくるようならその選手が上がってくるので状況としてはイーブンです。

状況がイーブンなのでアタック側は無理に攻める場面ではありません。この状況ではアタック側はトライを取りにいくような大きく外に回す攻撃ではなく、相手のディフェンスに隙を作るための仕掛けを重視した攻撃をします。

もしここでディフェンス側の枚数が2枚以上少ないようだと「チャンスだぞ!思いっきり外に回せ!」となります。

このように、ラグビーの攻守を見るときはボールの出どころを把握し、その上でバックスラインの人数を見てチャンスなのかどうかを見極めましょう。

プレイヤーに着目するなら最初は10番

ラグビーは攻撃で突撃した選手やそれをフォローした選手が次の攻撃に参加できない(=選手が消える)ため、特定の1人を追うというのは難しいです。

そんな中で誰か1人に注目してその選手を追いかけて見たいというのであれば最初は10番の"スタンドオフ"というポジションの選手を見るといいでしょう。

このポジションはバックスラインで最初にパスを受け、他の選手へのパスやキックを使う起点であり司令塔的なポジションです。

画像では1番の選手がそのスタンドオフで、ここから2-4番の選手にパスをするなり裏にキックを蹴り込むなりすることで攻撃を組み立てます。

このポジションの選手は攻撃時に最初にボールを受けるため登場頻度も高く、また、自分で突っ込むよりも他の選手を使う場面がかなり多いため消えている場面がかなり少ないため追いやすいと思います。

そしてこの選手が起点となって攻撃を行うことが多いため、この選手と「この選手がアタックラインのどの選手を使って攻撃をするのだろうか」という所に目を向けると自然とバックスラインを見るようになり、攻撃の形が把握しやすくなると思います。

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