プロップとは「支柱」を意味する言葉であり、その名の通りスクラムにおいて絶対的な柱です。
高校生くらいまでは「プロップのやつはスクラムさえ頑張ってくれればそれでいい」と言われることもあるくらいスクラムを中心とした働きをし、同時にスクラムに誇りを持っています。中には試合に負けてもスクラムで押し勝っていれば満足そうにしているプロップも…。
大学以上になってくるとフィールドプレーも求められ、そのパワーを活かしてフォワード周りの力仕事にも顔を出します。
フッカーの仕事はスクラムで押し合っている中で足を使ってボールを自分たち側に回すこと、この足を使ってボールを書き出す動きをフッキングと呼び、それをする選手なのでフッカーと呼ばれます。
フッカーがやや小さいとプロップの向きがやや内側になって力を集中させやすいため、フォワードの中では身長が低めな選手が多いです。
しかし位置するのはスクラムの最前列、押しの強さは当然求められるため所謂豆タンク型の選手が多いです。
また、フッカーの選手は身長が低いためラインアウトのスロー(投げ入れ役)を任されることも多く、フォワードの中ではボールの扱いや器用さに優れた選手が多いのも特徴です。
ロックの選手はそのサイズとパワーを活かし、様々なフォワードプレーにおいて核となります。
ラインアウトの中心になることが多いため身長が求められ、モールなどにおいてもロックの身長があることは有利に働きます。
様々なパワープレーの中心で戦うファイター、そしてきつい仕事でも黙々とこなす仕事人の多い「漢のポジション」であり、ラグビー最強国ニュージーランドでは子供が一番憧れるポジションでもあります。チームのためにはどんな仕事もこなす頼れる存在、そんな選手を真のロックという意味で「リアル・ロック」と呼びます。
フランカーの役割はとにもかくにもタックル。そのスタミナと機動力を活かして他の人よりも走り回り、タックルしては起き上がり、またタックルするために走ります。
高校生くらいまでは「フランカーのやつはしっかり走ってしっかりタックルしてくれればそれでいい」なんて言われることもあるポジションです。
皆の先頭に立ち誰よりも走り誰よりもタックルをする。ラグビーにおいて一番大切で一番きつい仕事をしてのけるフランカーはチームメイトの信頼も厚く、キャプテンを務める選手も多いです。
近年は攻撃面での役割も増え、その機動力とフォワードらしい力強さを活かした突破も魅力のひとつです。
スクラムの最後尾に位置し、スクラムから出てきたボールを持って単騎突撃するサインプレーが一般的であるほどに突破力が求められるポジション、それがナンバーエイトです。
選手の特徴としてはフランカーにかなり近く、パワーとスピードを兼ね備えた突進力のある選手が多いです。
しかしフランカーほどタックル重視のポジションではなくメインの仕事はアタックでの突破役、ディフェンス時にはフォワードの列から少し下がってフォロー役に回ることが多いポジションです。
突破役としてボールを持つことが多いこと、相手の短いキックの処理も行うことからボールハンドリングのよさも求められます。
攻撃がうまくいっていない時でもとりあえずこいつに渡しておけば1人2人ぶっ飛ばして状況を好転させてくれる、そんな選手がエイトにいると最高です。
スクラムハーフはスクラムやラックからボールを持ち出し、バックスに供給する役割を担います。
スクラムハーフがパスを出すところから攻撃がスタートするため、パスの正確さや早さ、そして判断力が求められます。
常に攻撃でクラッシュした場所の真後ろについていけるだけの機動力が必要とされ、地面にあるボールを拾い上げる動作も多いため身長の低い選手が適しているとされます。
近年はスクラムハーフからキックを行う戦術が主流となり、キック力も求められるようになってきています。
スタンドオフはアタックラインで最初にパスを受け、周りの選手を使って攻撃を組み立てる司令塔です。
どう味方を使ってどこで崩し、どこでトライを取るのかといったことを考えられるだけの戦術眼を必要とされ、それを実現するだけのパス能力やキック力も求められます。
非常にスキルフルなポジションかつ目立つポジションでもあり、ラグビーの花形ポジションでもあります。
海外ではスタンドオフではなく「フライハーフ」と呼ばれることが一般的です。
スタンドオフからのパスを受けて突撃することが多いのがセンターというポジションです。
センターをぶつけることを軸に攻撃を組み立てるため突進力が求められ、相手のセンターの突進を受け止められるだけのタックル力も求められます。
センターからさらに外に展開する時にはパスも出しますし、まっすぐ突撃するだけでなく角度をつけた動きをするなど攻守共に求められる能力の幅が広く、総合力の高い選手がこのポジションを務めます。
攻撃の基本は「内で食って外で取る」、すなわち"一番外"にいるウィングはチャンスの場面でパスをもらいそのチャンスを取りきるポジションです。
スピードで抜き去るタイプ、キレキレのステップを武器にする選手、スピードとパワーの合わせ技で跳ね飛ばしていくタイプなど様々なタイプがいますが、その全てに共通するのは決定力の高さ。
得点への嗅覚に優れいいところに顔を出し、いい場面でパスを受ければそのチャンスを無駄にはしない。トライを取ることこそがウィングの最大の仕事です。
ディフェンス面では相手のウィングを止めるため広い守備範囲が必要とされる他、相手のキックの処理もするためキャッチ力や蹴り返すためのキック力も必要とされます。
全ポジションの一番後ろにいるのがフルバックです。
フルバックは後ろにいるため、センターを軸とした基本の攻撃に裏からオプションとして参加する役割を担い、攻撃にバリエーションをもたらします。
このためウィングと同じく得点への嗅覚やラン能力に長けた選手が多く、攻撃でフルバックの選手がボールを持つ時はチャンスの時が多いです。
ディフェンスでは後方から味方に指示を送るマネジメント役になる他、味方が突破された時には最後の砦として体を張ります。
また、キックの処理をする機会も多いです。