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ラグビーを見るときは「軍師」になろう
全体を俯瞰して見るとラグビーとは「戦」である

入門編の観戦初心者は誰に、どこに注目してみればいいの?で、試合を見るときはボールの位置を把握した上で攻守のバックスラインに注目しようというお話をしました。

今回はその話の発展編で、ラグビーの攻防を全体的に見渡すお話になります。

まず、以下のような状況でアタックが始まったとしましょう。

左側がアタックで、ボールが出てきてスクラムハーフ(9番)からスタンドオフ(10番)に渡ったところです。

この状況を上からの俯瞰で見てみると次のような状況になります(ボールの出どころよりも外側の選手、戻ろうとしている最中でプレーに関与できない選手は除いています)。

攻撃のラインと防御のラインがわかりやすくなったかと思います。

さて、この状態からさらに見方を変えてラグビーを戦として捉えてみましょう。フィールドを戦場、そして個々の選手をその選手を武将とした小隊として捉えてみてください。

すると、次のようになります。

こうして見ることでラグビー全体をゴールラインの向こうにある敵の城を落とすための戦として捉えることができます。

そして観戦者はどうしたら自軍(応援しているチーム)が相手の布陣を崩すことができるか、相手の攻撃を凌ぐことができるかといった軍師のような目線で試合を見ることができます。

「軍師」として互いの次の手を考えながら観戦する

軍師の視点でラグビーという戦場を捉えることができたなら、次は軍師としてどう戦況を変えていけばいいのかを考えましょう。

選手を武将とした小隊として考えるというお話をしましたが、各小隊は同じものではなく「突破力が高く敵の1小隊では止められない」「進軍速度に優れる」などそれぞれ特徴があります。

各小隊の特徴を活かし、相手を崩す策を考えましょう。

例えば敵の隊列の真ん中に「1小隊では止められない」隊を突撃させましょう。

すると相手軍はこの隊を止めるために複数の隊を向かわせます。

ここで、

①最初の小隊を止めに向かった敵の隊のどてっ腹を横から別の隊で突いて崩し、さらに防御の手を必要とさせるもよし、

②手薄になったところを「進軍速度に優れる隊」で突破するもよしです。

実際にボールを受けて攻撃する小隊(選手)以外もデコイ(ダミー)として相手を釣る動きをします。

このように軍師視点で戦況を見ると、ラグビーは「自分たちがこんな手を打ったら相手はどのような対応をするだろうか」「その場合はどの部分に隙ができるだろうか」と常に相手の動きを読みながら次の一手を考えるゲームとなります。

本当の肉弾戦を伴った将棋のようなものと捉えることもできますね。

誰を使ってどこを攻撃するか?2手、3手重ねる中でどう隙を作ってどう突破するか?そういったことを考えながら戦況を眺めるとより一層ラグビーを楽しめるかと思います。

攻撃を繰り返す中で「自分たちに有利な状況をどうやって作るか」と考える戦略性、そしてそれを見事にこなし防御を崩した時の爽快感・達成感、こういった要素もラグビーの大きな魅力です。

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