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なぜラグビーは前にパスしてはいけないのか

ラグビーを見始めたばかりの人は「なんでラグビーは前にパスしちゃいけないの?じれったい!」と思うことが多いのではないでしょうか。

しかし、ラグビーで前にパスを出せないのにはちゃんとした理由があるのです。

元々は足を使うのが基本のゲーム

ラグビーという競技は元々サッカーと同じ源流を持っており、どちらも「フットボール」でした。そして現在のラグビーの正式名称も「ラグビーフットボール」です。

その後サッカーとラグビーに枝分かれしていくのですが、フットボールの名の通り、元々は足を使ってボールを蹴ることが主流の競技でした。

この時代は手を使ってボールを持つこと自体はOK、しかしボールを持った状態で前へ走ることは禁止で蹴ってパスをするというものでした。

この原始フットボールは学校ごとにルールが異なり、その中で「ボールを持った状態で走ってもいい」というルールを採用したのが「ラグビー校」、そこから現在のラグビーに繋がっていきます。

そしてそのルールから発展していく中で「手でのパスもOKにするが、パス先は後方に限る」というルールが作られました

手の方が器用ですから手で自由にパスできるようにしてしまうと誰も足を使わなくなってしまいますからね。

ちなみにサッカーは「各校ごとにルールが異なっていた」時代に手を使うことを禁止する方向で発展していったもので、ラグビーとは兄弟です。

「トライ」はゴールを狙うキックへの挑戦権の意味だった

このように「パスの基本はキック、手でパスしてもいいが後ろに限る」という形で発展したラグビーですが、当初の得点の方法はゴールへ蹴り込むことだけでした(原始フットボールがそうだったため、現在のサッカーもそうですね)。

そして初期のラグビーにおいて、相手陣地の後ろにボールを持ち込む「トライ」はゴールを狙うキックに挑戦する権利を得るためのものでした。つまりトライそのものでは得点は入りませんでした。

言葉の意味通り「トライ=挑戦(権)」だったんですね。

その後ラグビーが発展していくにつれ、試合をよりエキサイティングなものにしようと幾度となくルールが改正されていきました。

その中でトライにも得点を与え、キックの得点と差をつけることによって一発逆転が生まれたり、どう得点していくのかという戦略の幅が生まれました。

その後ディフェンス戦術が発展するにつれキックで細かく点を取るチームが増え、「もっとトライを狙わせよう」とトライの得点配分が増えていき現在の形に落ち着きました(昔はトライが3点、その後1点ずつ増え現在は5点)。

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